夏休み明け、初日。

今日はこれからドームで始業式があるし、そうなれば必然的に彼らと顔を合わせなきゃいけない。……合わせなきゃいけないのだけれど。



「どっちも!?

ってことは誰かに恋してるってこと!?」



「ちょ、みさとうるさい……!」



「だって……!!」



興奮冷めやらぬ彼女。

ああそうだった……忘れてたけどみさとは恋バナが大好物なんだった。



「や、大和〜っ……」



もうこれは質問攻めにされる、と。

後ろの彼を振り返れば何とも言えない表情でわたしを見る彼。それから「お前さ」と言うその表情は、やっぱり怪訝だ。




「俺が好きなヤツ忘れてない?」



「わ、忘れてないけど……」



「だったら俺のこと頼るんじゃねえよ」



……つ、冷たい。

まあ確かにここで親切にされても、わたしを好きな大和と付き合ってるみさとに申し訳なくなっちゃうんだけど。それでも、だ。



「はあ……誰のこと好きだって?」



「いつみ、先輩……」



「……お前またすげえとこ選ぶなオイ」