「おっはよ、南々瀬!」



「ひゃ……っ!?」



「え、何その反応」



ぎゅうっと。

いきなり後ろから抱きつかれて、思わず上がった高い悲鳴。それにふるふると首を横に振るわたしを不思議そうに見るみさとと、怪訝そうな大和。



「どうしたんだよ」



「や、うん……考え事してたから……」



びっくりした……と。

ふっと息をついていれば、みさとに「考え事?」と首をかしげられる。




「なになに、恋の悩みですか南々瀬さん」



「………」



「……え?図星?」



やばい。顔が熱い。

「と、とにかく行こっ」とふたりを促して、城のようにそびえ立つマンションから歩み出す。



付き合ってるんだから隣に並べば良いのに、わたしの隣に並ぶみさとと後ろにいる大和。

夏休みにみさととは一緒に遊んだけど、大和とは会っていなかったからなんだかんだひさしぶりだ。



「それで……

"された"方の話? "した"方の話?」



「ど、どっちも……?」