たぶんもう、学校のパンフとか関係ねーと思う。

学校側が悪ノリで作成した、生徒会の情報誌だ。しかもあんまり学校の内容に関係ねーやつ。……去年はもうちょい真面目だったのにな。



各々めんどくさいと言いつつ、アンケートの山を消費する。

まじめなものからくだらないものまですべて答えて顔を上げたところで椛の撮影が終わり、今度は俺らしい。



「これ撮り終わったら一旦休憩ね」



そう前置きしてから、撮影に入る夕陽。

すげー嫌だけど、こういうのは逃げたところで逃してもらえない。



スムーズに終わらせてやろうと小っ恥ずかしい指示だろうと何だろうとあっさり呑んで終わらせる。

おかげであっという間に終了し、撮影は一旦休憩。モニターを確認した夕陽がこっちまで歩み寄ってきて、ちゃっかり南々瀬の隣に座った。



「ナナ、撮影とかしたことないよね?

本番やる前に、一緒に写真撮ってもらお」



どさくさにまぎれて、ツーショットを撮ろうと言い出す始末。

いつみが黙ってねえんじゃないかと思ったが、その前に南々瀬があっさりと席を立った。




「わたしが写真撮るの嫌いだって知ってるでしょ?」



「知ってるよ。だから俺が来たんじゃん」



「………」



黙り込んだ南々瀬の手を引いた夕陽が、カメラマンに声をかける。

何をするでもなくその様子を見つめていれば、写真嫌いは本当なようで、カメラを向けられても南々瀬の表情が堅い。



「……あら?

南々瀬ちゃん最後じゃなかったの?」



「おかえりなさい夕さん。

南々先輩写真嫌いみたいで、休憩時間の間に緊張をほぐそうって夕陽が、」



写真嫌いなのはよくわかる。

俺も好きじゃねーからな。でもまあいつみがやると言ったら俺らに拒否権はないわけで。仕方なく、反抗せずにやってるだけだ。