しかもまだ受かったわけじゃねーし。……マジで、なんで居んだコイツ。

カメラマンも夕陽と仕事上の知り合いだかなんだかで、夕陽の指示に「それいいね」と賛同してしまってる。



「夕帆の撮影、まだ終わってなかったのか?」



「いつみ、おわったの?」



「ああ。今年も質問の数がエグいぞ」



「……俺ら今からそれやるんだけどねえ」



嫌がっていた割に、涼しい顔で撮影を乗り切ったいつみは、早くもインタビューと大量のアンケートを終えてきたらしい。

最初にいくみさんに耳元で何かを囁かれてから文句ひとつこぼしてねえけど、一体何を吹き込まれたんだ。



なんて思っている間にすっかり衰弱気味でもどってきた夕帆が、「つぎ椛」とだけ言ってスタジオを出ていく。

俺らの手持ち無沙汰に気づいたスタッフに「いまのうちにアンケートだけやっておきますか?」と声をかけられ、頷けばそれぞれ渡される。……が。




「……南々先輩だけアンケートの量おかしくないですか?」



「2倍はある、ね……?」



なぜか南々瀬だけ異様に多い紙の量。

なんでも、生徒から募集したらしい質問の数がえげつないらしい。南々瀬のことで動きが目立ってたのは女子生徒の妬みだが、男ももちろん気にしてる。



突如入ってきた転校生。

挙句美人でいつみが即刻姫にした。



たぶん南々瀬は気づいてねーけど、結構男連中の間では噂になってる。

美人さとスタイルの良さから、本人には聞かせられねーようなくだらない男同士の会話も、ちらっとジムに行った時耳にしたけど。



「しかも1問目の問いが『彼氏いますか?』なんですけど……

南々先輩、たぶんこのふざけた質問の山は破っていいと思います」



「本気で特集組む気なの……?」