【完】こちら王宮学園ロイヤル部




……ああもうかわいい。

姫もこれぐらい分かりやすかったらいいのに。いや、3歳児と比べるのもなんだけど。



「にぃに……?」



「ん、瑠璃はかわいいな」



「えへへ」



天使か。大天使瑠璃様が降臨してる。

かわいい妹の額に口づけたら、「るりもー」と言って頰にお返しのキスをくれた。最高かな。



「……兄ちゃん、家の中じゃないんだから」



困ったように笑う呉羽も、首をかしげてる翡翠も、うちの兄妹はみんなかわいい。

片腕を伸ばしてやわらかい呉羽の黒髪を撫でてやっていたら、「そろそろ上がるか」と収集をかけるいっちゃん。




「どうしますか? シャワー浴びます?

客室があるので、一斉に使えますけど……」



「そうだな。南々瀬、お前冷えてるだろうからちゃんと温まってこいよ。

プール入って風邪引いたとかシャレにならねえだろ」



「あたしシャワー浴びなくてもいいから、

椛のとこ人数多いし使っていいわよ」



シャワーを浴びたらお昼ご飯にしよう、ということで。

瑠璃も翡翠も満足したみたいだし、とりあえずプールは切り上げる。呉羽が翡翠の面倒を見ると言ってくれるから、各々別れてシャワーを浴びた。



「ほら、瑠璃。

風邪引くからちゃんとタオルで拭いて」



「はぁい」



プール特有の塩素の匂いを落とせば、浴室内に満ちるのは石鹸の甘い香り。

先に自分の着替えを済ませてから、自分で身体を拭いていた瑠璃のバスタオルを受け取って、着替えさせて風呂場を出る。