【完】こちら王宮学園ロイヤル部




「急に呼び出してごめんね」



「いえ……びっくりは、しましたけど、」



「ふふっ。

きっとあの子たちが待ってるだろうから、話をはやく済ませようか」



温和に笑って、理事長は「ロイヤル部のことなんだけど」とその笑みを保ちながら会話を続ける。

つかめない人。だけど、何もかも見抜いている人。



「一緒にいて、楽しい?」



「はい。……楽しい、です」



はじめに強制入部させられそうになったときは、一体何事かと思ったけど。

いまはただ、そばにいて楽しい。偉そうなことを言える立場ではなかったけれど、ルアのことだって、なんとも思わないなら引き留めたりしなかった。




「そっか。

……きみのご両親から、連絡があってね」



「、」



「冬には、

一連の計画が終了しそうだと言ってたよ」



その一言に、一瞬背筋が冷える。

それでも自分を保ったまま、「はい」とまっすぐに返事をした。冬には、ということは、きっと。



「この先どうするのかは、きみ自身が決めれば良い、と仰っていた。

……それでも、きみの気持ちは変わらない?」



「……はい」



わたしが望めば、彼らとこれから先も一緒にいることができる。

だけどわたしが欲しいものは、はじめからひとつだった。