さすがに、みさとと付き合って、とは言わなかったけど。

薄々デートした日に告白されるだろうなって予感はしてて、案の定帰り際に告白されたから、はっきりと断った。



その後ふたりがくっついたなら、大和がみさとの気持ちを受け入れると決めたんだろう。

……うまくいってくれればいい。わたしの分まで。



「ほんとにいいんだよね? 南々瀬」



「……留学する前は、帰ってきたら付き合っても良いかなって思ってたんだけど。

留学から帰ってきて「おかえり」って言われた時は、行く前に付き合っておけばよかったなって思ったのよね」



「えっ。……え!?」



「ふふ、思った……けど。

そのあと付き合おうとは思わなかったから安心して」



大和のことは好きだ。

だけどそれが恋愛感情になることは、もうない。




「そっか……

夏休み、いっしょにあそぼうね?南々瀬」



「ん、予定空けとく。

そのときはノロケ聞かせてもらうことにするわ」



「ええっ、やだもう、からかわないでよ〜……」



顔を赤くしてわたしを睨むみさと。

かわいすぎる。これはあとで大和にもノロケを聞かせてもらわないと。「なんでお前に言わなきゃいけねえんだよ」って怒られそうだけど。



「あ、そうだ南々瀬」



「ん?」



「昨日の夜ね、これがポストに入ってて……」