青ざめるほどの量の仕事が用意されていたけど、はやく済ませれば後半は遊び放題ということなので、7人で協力して夏休み前から仕事を開始した。
おかげで数日かけて3分の1程度は終了したし、このままだと夏休みの半分以上は遊べそうだ。……ただし。
「……課題は免除されないんですね」
「次の定期考査が10月だからな。
学力を落とさないように、っていう意味で生徒会役員だろうと課題は免除されねえんだよ」
「でもまあ、
課題にそんな時間かからねえけどな〜」
椛の言う通り、このエリートしか集まらないメンバーの中で課題がなかなか終わらないなんてことはまずないけど。
はやく終わらせて遊びたいなと思っているうちに、どうやらドームに到着したらしい。
「……大丈夫よ、ルア」
ぎゅうっと腕に絡ませる力を強めたルアに、そう声をかける。
どうやら役員席なるものが去年の名残として用意されているらしい。もうロイヤル部なんてややこしいから、普通に生徒会役員で良いと思うの。
広いドームの中、向かったのはどこかの裏口で。
ガチャッといつみ先輩が開いた扉の向こう側は、どうやら役員席の真後ろ。そしてちょっと扉を開いただけなのに、もう黄色い悲鳴が聞こえる。
「ルア、そのまま姫と一緒にいな」
わたしは目立つことが好きではないし、ルアもそれは同じ。
いつみ先輩、夕帆先輩、椛、莉央、ルノ、の順で座り、その隣にわたしとルア。
ドーム内に上がる悲鳴はわたしとルアが足を踏み入れたところで収まり、ざわざわとざわめきだす。
その理由は、部屋から出てこないはずの王子の片割れの存在があるからで。
『ただいまより、終業式をはじめます』と。
そんな堅苦しい教頭先生の挨拶ではじまった終業式の最中、ずっと生徒たちの視線はルアにちらちらと向けられていた。
「……ななせ」
わたしの肩に顔を寄せて、まわりの視線を一切視界に入れない彼。
安心できるように手を握ってあげていたら、ルノが「大丈夫ですか?」と耳打ちしてくる。それに「大丈夫」と返して、ルアに視線を落とした時。