「ただいまです」
C棟のリビングに行けば、わたしと椛以外のみんなは揃っていて。
いつみ先輩の前に置かれたパソコンを覗き込んでいた瞳が、わたしに向けられたかと思うと。
「お前……マジで脳内どうなってんだよ」
「え、なにが?」
みんなに驚愕の瞳を向けられるから、なんなんだと足早に駆け寄る。
いつみ先輩が見せてくれたパソコンの液晶に表示されているのは。
『一、姫川 南々瀬 900/900』
両方のテスト順位の首席に陣取っているわたしの名前。
全学科の2年のテスト順位の3番目には莉央、4番目には椛の名前があるけれど。もう片方はわたしの名前だけなので、どうやら普通科の順位らしい。
「南々瀬ちゃん……
いつみでも9割9分の点数なのよ」
「まじかよ、満点じゃねえの」
わたしの頭に腕を乗せた椛が、画面を覗いてそう口にする。
しきりに、「満点なんて見たことない」とみんなは言うけれど、訝しげに眉間を寄せているいつみ先輩。どうしたのかと思えば。
「……お前のそのテスト、普通科のじゃねえんだよ」
「……はい?」
「お前、椛と莉央とテスト受けただろ」
そう言われて、「ああ、はい」と曖昧な返事をする。
ロイヤル部が教室にいると騒ぎになるため、わたしたちは別室でテストを受ける。その部屋も学年ごとらしいから、わたしは必然的に椛と莉央と同じだった。



