【完】こちら王宮学園ロイヤル部




「去年は高級焼肉食べ放題だったな。

俺のクラス準決勝まで残って、いつみと夕帆のいるクラスに負けたんだよ」



「そ。美味しくいただきました。

その前の年は、たしかテーマパーク1日貸切とかだったわよね」



「ああ、どれも八王子系列だからできることだけどな」



……なるほど確かにすごい。

テーマパークを1クラスだけで貸切なんて普通なら出来ることじゃないし、高級焼肉食べ放題もすごい。モチベーションが上がるのはよくわかる。



でも、それって。



「……普通科は不利じゃない?」



だって成績に秀でているのは特進科だし。

事実去年は特進科のトーナメントになったみたいだし。




「ちゃんとそのへんも考えてあるんだっての。

普通科は点数が上がるときに1.5倍制。逆に減点される時も、詳しい比率は知らねーけど多少は軽減される」



「普通に加減されるのは特進科だけね。

スポーツ科はスポーツに関する点数がほかの学科よりも上がらないようになってて、教養と芸能はたしかイベント関係で点数が上がるようになってるのよ」



詳しいことはわからないけれど、とりあえず条件的には平等になるようにつくられているらしい。

そして今回のことで教養科はマイナス30点。学科でその点数を競っているなら、同じ学科の生徒から冷たい目で見られる、というそれも納得出来る。



「点数って、

ロイヤル部が自由に決められるんですか?」



「ううん、そしたらあたしたち特進が贔屓できて有利になっちゃうでしょ?

点数を決めてるのはいくみで、各学科の持ち点がどうなってるのかは、理事長しか知らないの」



「へえ……」



「テストに関しては特進が圧倒的に強いって言われてるけど……

南々瀬ちゃんが普通科所属だから、今年は色々と変化するかもしれないわね」