ここはラダ国、王都。

新国王が誕生して間もなく一年になろうとしている。
新たな国王のもと、活気付く人々。
そんな中、最近になってもまだ話題に上がる話がある。


それは、
廃位され永久流刑された元皇太子のことでもなく、
若く凛々しい新国王のことでもない。

それは、新国王が皇子であった頃、
突然空から降りてきた娘が
まこと天からのラドゥールであったこと、
皇子を祝福し天へ帰ってしまったことである。





「ガイン、陛下は?」

「ケイジュンさま。
はい、お部屋で休まれておいでです。」

「今ようやくというところです。」
とは、長身、屈強な白銀の騎士団長だ。

「なるほど、まぁ仕方ないさ。
やっと今日この日なのだから。
陛下のお気持ちはいかほどかー、、

神官長。何度も聞くが、間違いはないのだよね?」

「はい、星の運行周期に間違いございません。
何度も計算し確かめてございます。」
しっかりと頷く神官長ミムリ。


「我々にあとできることは、、、」

「奇跡がまたもたらされるよう信じよう。
我らが天のラドゥールさまを。」

ハルを、、





お妃の座は今も不在。
新国王は今も天からのラドゥールを探し続けている。
そして今夜がまさに、
あれから一年後の儀式の日である。
満月に赤い星が並ぶ。