「くくく、、そうはいきませんよ。
コウジュン皇子!
ラドゥールを、何処へ連れて行くのです?
儀式は!これからですよ?
ふはは、なぜ、、
隠すのです?」
ぴたりとコウジュンの足が止まった。
「すぐに、追いかける。」
そう言うとマントで覆われたハルの背中を押し出すようにガインに預けた。
「コウジュ、、」
「私のラドゥールだ。私が守る。
行け。」
「確かに、なぜマントで覆っているんだ?」
「あんなところに押し込められていたのだから、ラドゥール様を気遣って当然のことじゃないか?」
皇太子のほうへ向き直る。
「隠すとはーー?」
髪をかきあげた。
青い瞳が苛立たしげに光った。
「私は我が妃を取り戻しただけのこと。」
「まだ妃ではないだろう?
うん、まだ承認はなされていないのだから。」
「皇太子殿下、お部屋へお戻りを!」
皇太子は兵士たちに囲まれてもその場を動こうとしない。
「皇太子殿下、国王陛下のご命令です、どうぞお戻りを!」
「私は儀式の進行を務めているのだ!
邪魔をするな!、、まだわからぬか!
コウジュンよ、
承認がなされなければ妃ではない。
国王陛下、そうですね?」
もはや観客と化した客人たちの「確かに。」と同調する声が聞こえる。皇太子は口元をほころばせた。
「そなたは儀式を拒んでいるのか?」
その問いには、国王も不可解そうに眉間に皺を寄せた。
コウジュンは口を閉ざした。
たがしかし、ふと、、
みなの視線が自分を超えて後ろに向けられていることに気づいた。そして聞こえた小さな声にコウジュンははっとした。
「っ!」

