元気のないタケルは、それでも暗くなりかけた山道で、私と香澄の歩みを気にしながら登ってくれた。
片手にライトを持っていて登りにくいので、ちょっとした段差は上から手を引っ張り上げてくれる。
息が上がりだした香澄に合わせるように歩調を緩める。
1時間も歩くと、みんな顔が真剣になっていた。
「まだ半分も来てないけど大丈夫か?」
「うん、大丈夫」
私はVサインをした。
タケルはにこっとしてVサインを返してきた。
おいおい…
「えっと、私はちょっと…」
香澄が息が荒い。
「そっか。じゃあ、ちょっと休もう」
タケルはそう言って、香澄をそばにあった大きな木のところに寄りかからせた。
「座ると余計に疲れるから」
「ありがと」
私はその場で立ち止まったが、ふと、周りの風景に見覚えがある気がした。
「ここは…」
「ああ」
私のつぶやきに気付いたタケルが私の後ろの方を指さした。
振り向いてタケルの指さした方をライトで照らすと、崖があり、その下に小さな洞穴があった。
「あ、あの洞穴…」
「そうだよ。13年前、皆美と会うのが最後になった場所だ」
「タケル…」
「大丈夫だ。今日は一緒だよ」
私の心の中を見透かしたかのように、そう言ったタケルの表情が頼もしく見えた。
「それに、今日は香澄も一緒だ」
タケルが目で香澄を示した。
そうだった。
この3人でいれば、これ以上頼もしいことはない。
香澄もこっちに向けてVサインをした。
「タケル、ありがと。もう大丈夫だよ」
香澄が真っ直ぐ立って言った。
「じゃあ、行こうか」
タケルが少し大人びた笑顔で言った。
やっぱり、タケルもオトコなんだ。
今はタケルに頼り切っている。
そんな感じがした。
ただ、ここに来ても、あの曖昧な記憶はハッキリしなかった。
何も新たに思い出せなかった…
私は何を忘れているのだろう?
片手にライトを持っていて登りにくいので、ちょっとした段差は上から手を引っ張り上げてくれる。
息が上がりだした香澄に合わせるように歩調を緩める。
1時間も歩くと、みんな顔が真剣になっていた。
「まだ半分も来てないけど大丈夫か?」
「うん、大丈夫」
私はVサインをした。
タケルはにこっとしてVサインを返してきた。
おいおい…
「えっと、私はちょっと…」
香澄が息が荒い。
「そっか。じゃあ、ちょっと休もう」
タケルはそう言って、香澄をそばにあった大きな木のところに寄りかからせた。
「座ると余計に疲れるから」
「ありがと」
私はその場で立ち止まったが、ふと、周りの風景に見覚えがある気がした。
「ここは…」
「ああ」
私のつぶやきに気付いたタケルが私の後ろの方を指さした。
振り向いてタケルの指さした方をライトで照らすと、崖があり、その下に小さな洞穴があった。
「あ、あの洞穴…」
「そうだよ。13年前、皆美と会うのが最後になった場所だ」
「タケル…」
「大丈夫だ。今日は一緒だよ」
私の心の中を見透かしたかのように、そう言ったタケルの表情が頼もしく見えた。
「それに、今日は香澄も一緒だ」
タケルが目で香澄を示した。
そうだった。
この3人でいれば、これ以上頼もしいことはない。
香澄もこっちに向けてVサインをした。
「タケル、ありがと。もう大丈夫だよ」
香澄が真っ直ぐ立って言った。
「じゃあ、行こうか」
タケルが少し大人びた笑顔で言った。
やっぱり、タケルもオトコなんだ。
今はタケルに頼り切っている。
そんな感じがした。
ただ、ここに来ても、あの曖昧な記憶はハッキリしなかった。
何も新たに思い出せなかった…
私は何を忘れているのだろう?


