私たちがお風呂から上がると、タケルがすねていた。

「ほんと長風呂だな…って、なんでおまえらパジャマ着てるんだ?郷土資料館に行くんだろ?」

「あ、そうだった」

「忘れてたね~」

香澄と二人で笑った。

「おいおい」



わざわざ人目に付かないように、夜までの時間つぶしにここに来たのだった。

「じゃあ、着替えて行こうか」

香澄がにっこり笑った。

彼女の、こののんびりさはとても安心感を感じる。

あの車の中で見た表情を思い出したが、彼女の気持ちを大切にしようと思った。