もう泣いてもいいよね

「どうした?」

「ううん。なんでもない」

私は軽く頭を振った。


「ところで、皆美、これからどうするんだ?何かやりたいことがあるのか?」

タケルに聞かれたことはもっともだ。


「まだ、何も考えてない。ただ…」


「ただ…?」


「自分で本当に書きたいことを書きたいと思ってる。また夢を追いたいのかな」


「そっか…」


タケルは何か考えている風だった。


「そっか。じゃあ、おれ手伝うよ。何かできることがあったら遠慮せずに言いなよ」


「ありがと、タケル」

私は、変わらないタケルの優しさが嬉しかった。



しばらく、思い出話をしていたが、タケルが時計を見て言った。

「会わせたい人がいるんだ」

「誰?」

「行けばわかるよ」

タケルはそう言って立ち上がった。