私と二人の物語

「開かないでしょ」

悟が珈琲をいつものカップで私の前の辺りに置いた。

「うん…」

私はその箱をそっと敷物の上に置くと、珈琲のカップを手に取った。

「いただきます」

「どうぞ」

しばらく二人で珈琲を味わっていた。

私は半分ほど飲んだカップをソーサーに戻すと、またからくり箱を手に取った。

「これってさ、長さとか高さとか文箱みたいだよね」

「そうだね」

「するとさ、普通、こんな風に持って上に開けるじゃない?」

パカッ。

「…え?」

「…ぱかっ?」

目の前で起きたコトに、悟が今までに見たことがないくらい目を見開いてた。

いや、私もか。

「ええー!!」

「どわー!!」

目の前で普通にそれは開いていた。

私は慌ててそれを落としかけたけど、悟がばっと目の前から手を伸ばして私の手を支えた。

「開いたよ…」

「開いたな…」

悟がちょっと貸してみたいに手を出したので、下の部分と蓋を渡した。

彼はそれをじっくり見てたけど、

「どこにも仕掛けなんかないじゃないか…固かっただけかよ」

と言うと、ガクッと頭を下げた。