私と二人の物語

バスが発車しても悟と話していたけど、西神大前で停まった時は、その会話が途切れた。

私は虚ろに大学の方を見ていたし、悟もそれに合わせてくれた。

そして、私が特に話題にしなかったので、悟も今日は大学については聞かなかった。


またそのまましばらくバスに揺られて、ケーブル下駅に着いた。

目の前にちょっと高原風?な感じに造られた白い駅が広い階段の先にある。

少し悟の家のデザインに似ている。

中に入るとケーブルカー独特の斜めになった車両が停まっていた。

見た目は、古の路面電車みたいなデザインで緑。

すると、上の車両は赤。

それが交互に運行されている。

「さあ、乗ろう」

チケットを買ってきた悟が言った。

「うん」

私たちは一番下のところに座った。

もちろん椅子の向きは斜面とは反対向き。

街の景色を見ながら上り下りすることになる。

車両の上の方は屋根が邪魔になる。

屋根の真ん中を透明な造りにしているけど、少し曇ってるし、角度的に景色が見えるわけでもない。

ほぼ真下しか見えない感じ。

だから、やっぱり下が特等席。

平日なので、取り合うほど人がいるわけじゃないけど。