私と二人の物語

「絵は向こうなんだ」

彼はリビングの方を指差した。

もう一度その方向を見ると、リビングの向こう側にそれらしいのが見えた。

悟が廊下をそっちへ歩いていったので私も付いていった。

左手はやっぱり庭で、それはイギリス庭園風だった。

それなりに手入れされていて、カラフルな花たちが揺れていた。

リビングの右手の斜面側には二階への階段があった。

そのちょっと先の左側は玄関。

そのまま廊下を行くと、そこは絵の具の香りとか置かれている画材とかで、一応アトリエの雰囲気だった。

リビングとの境の両側の壁には、磨り硝子のはまった木製のカーテンの様な物が畳まれてあった。

天井のレールで吊り下げられていて、真ん中から左右にパタパタと畳めるらしい。

必要があればそれぞれの部屋を分けることができるのだろう。

でも、今は開放感が溢れていた。

建物自体は古そうだけど、こういったモノは改装の時に付けられたという感じだった。

振り返ると、ダイニングとリビングの間も廊下との間もそうだった。