私と二人の物語

「どうぞ」

「うん」

私は促されるまま中に入った。

古い物ばかりという骨董屋独特の匂いがした。

それ自体がアンティークな木や金属の棚に、所狭しと小物が並べられていた。

あまり大きな物はなく、一番大きくても壁に掛かった振り子時計くらいだった。

だから、品物が多いのに圧迫感がなかった。

港町らしく、舶来っぽい物の方が多かった。

骨董品をゆっくり見ながら奥に入っていった。

突き当たりにレジなどが置かれたカウンターがあった。

私は、悟がカウンターの左側の天板を上げてくれたので、そこから中に入った。

「じゃあ、上に行こう」

悟が天板をそっと降ろすと後ろの方を見ながら言った。

「うん」

私もその視線に応えた。