私と二人の物語

美結によると、あの事故以来、その意識が美緒の意識の奥深くにあって、美緒を通じて、これまでのことはほぼ全部一緒に見聞きしているらしい。

確かに、知るはずのない出来事を、美結は知っていた。

だから、あらためて美結と話すコトはなかった。

「一卵性の双子だからだとは思いますが…」

そう言いながら、篠田さんは信じられないという顔をしていた。

「確かに、遠く離れた一卵性双生児が、意識を共有したという話は聞いたことがあります」

「そうなんですか?」

「ええ、まあ」

彼は思い出すように言った。

「今度のことは、本当は学会に発表すればすごいことかもしれません」

「それは、ちょっと…」

私は渋い顔をした。

「まあ、冗談です。私は脳外科医であって、精神系には興味はありませんし、大切なあなた達を興味本意の場所に出す気もありませんから」

彼はいつもの優しい笑顔で言った。