私と二人の物語

目の前を白い猫が私たちを気にしながら通っていった。

その猫に視線がつられて、横を向いた時、悟の横顔が見えた。

私が慌ててまた前を向いた時、

「信じたくなかったんだ」

悟が呟くように言った。

私は何も言えず、そのまま前を向いていた。

「でも、本当に亡くなっていたんだね」

「……」

「前に君は、姉と…いや美緒とお父さんが口論して飛び出して、そして事故にあったと言ったけど、その口論の理由は何だったの?」

「それは…、わかりません」

「もう嘘はつかないでくれないか」

心臓がどくんと跳ね上がった。