私と二人の物語

陽射しは柔らかで、とても静かな日だった。

私は本堂の石段に腰掛けて悟を待っていた。

目の前には、よく手入れされた境内。

緑が鮮やかさを増したニ本の大きな木。

威厳のある黒っぽい門と白い壁。

さらに静けさの中だった。

それらを見つめている私の頭の中は、ただ真っ白だった。

だから、こっちに歩いてくる悟の姿が見えた時、どれくらい待ったのか感覚がなかった。

私は、立ち上がると、視線は合わせないまま、頭を下げた。

悟は、何も応えず、傍までくると、私の横に座った。

私が戸惑っていると、

「君も座って」

と、彼が言った。

私は軽く頷くと、またそこに座った。

今度は、その石段の冷たさを感じた。

その冷たさを感じなくなるまで、私たちは黙って座っていた。