私と二人の物語

北野町への坂を上っている時、昨日までと何か感覚が違っていた。

目標を超えたことでの、心の落ち着きかもしれない。

これからのことを、少しは冷静に対応できればいいと思った。


「悟~」

「いらっしゃい」

上に上がると、悟は、デスクで既に仕事をしていた。

「それ、新しい仕事?」

「ああ、そうだよ」

「ポスターだっけ?」

「そう。化粧品の」

「すごいね~」

「さんきゅ」

「画廊の片付けは?」

「ちょっとイメージ湧いたから、少し形にしてから行くよ」

「そっか。じゃあ、珈琲でも淹れようか?」

私は彼のカップが空なのを見て言った。

「ああ、よろしく~」

「うん」

私はその雰囲気に感じてはいけない居心地の良さを感じながら、キッチンに行った。