私と二人の物語

「美緒」

悟が私を見つめていた。

「悟…」

そのまま、眼を閉じれば、そういう雰囲気だった。

私は、眼を閉じかけた。


だけど、やっぱりそれはできなかった。

私は気付かなかったように、彼の胸に顔を埋めた。

そうするしかできなかった。

「美緒…」

少しがっかりしたような声だと思った。

でも、彼は、顔を上げない私の頭に頬を寄せると、そのまま抱き締めてくれていた。

私は涙を流すわけにもいかず、彼にわからないように、耐えていた。

ごめんなさいと心の中で謝りながら。