私と二人の物語

20時前には料理もほぼなくなった。

勉さんと悟は飲みながらまだ話し込んでいた。

窓のところを見ると、効きすぎた暖房で結露していた。

それにお酒で身体も火照っていた。

「美緒さん、ちょっと涼みに行こうか」

つくしさんがそう言って下を指差した。

「うん」

私と彼女が立ち上がると、悟がチラッと見た。

私が下を指差すと、頷いてまた勉さんと、話し始めた。

つくしさんの後に続いて店へ降りた。

下は暖房を入れていないから、ほんとは寒いはずだけど、ひんやりと感じて心地よかった。

つくしさんは応接の椅子を動かして横向きに座った。

私もその向かいに同じ様に椅子を動かして横向きに座った。

お互い、顔を合わせず同じ方向を見ている。

その視線の先には大きな振り子時計が、ゆっくりと振り子を揺らしている。

つくしさんと二人きりだけど、アンティークの匂いと店の雰囲気が心を落ち着かせていた。