彼とは、昼休みも一緒でお弁当を食べた。
廊下で佑斗達とすれ違った時、彼は優しく手を握ってくれて”大丈夫”と声を掛けてくれた。

小さな心遣いが嬉しくもあり、胸を締め付ける。

 「今日どこか寄り道して帰りませんか?」

 「え?」

 「急に言われても無理ですよね!すみません…」

彼の顔はみるみると赤みが増していった。
可愛いと思いクスリと笑ってしまう。

 「いいよ!寄り道しよ」

 「本当ですか…嬉しいです。夏華さんは甘いものは好きですか?」

 「うん、大好き」

 「っじゃあ、クレープ食べに行きませんか?最近、駅の近くにできたばかりの」

 「そこ知ってる!今人気なんだよね。今度行こうと思ってたんだよね」

 「良かったです!放課後楽しみですね」

 「うん、楽しみ」

早く放課後にならないかなってくらい気持ちがふわふわしていた。
こんな素直な気持ちになれたのはいつぶりだろうか…