世田谷区某所住宅
世田谷区に住む小木美智子は20時過ぎになったので、お風呂に入ろうと見ていたテレビを消した。
母を早くに亡くし、唯一の家族である父は海外へ長期出張中で、26才で未婚の彼女は今のところ一人暮らしだった。
廊下から戸を開けて脱衣所に入ると、左の壁にある明かりのスイッチを手探りで探しながら、ふと、目の前の洗面台のところの小窓を見た。
「!!」
人の頭のシルエットだった。
開いた窓のアルミの格子の外から覗いていた。
とりあえず動く気配がない。
まだ相手は誰かが入ってくるのを待っているだけで気が付いていないかもしれない。
美智子はそう思って、スイッチから手を離した。
彼女は、そうっと小窓の方に近づいて、覗き魔を驚かすのと顔を確認するために洗面台の明かりを点けようとした。
スイッチに手を伸ばした時、そのシルエットの目が開いた。
そのシルエットは、黒い靄(もや)が掛かったようによく見えないだけで、暗いためのシルエットではなかった。
目が合った。
「きゃー!!」
彼女は悲鳴を上げた。
ハッとして目を開けると、外にはもう誰もいなかった。
美智子は慌ててリビングに戻って、テーブルの上に置いてあったケータイで110番した。
世田谷区に住む小木美智子は20時過ぎになったので、お風呂に入ろうと見ていたテレビを消した。
母を早くに亡くし、唯一の家族である父は海外へ長期出張中で、26才で未婚の彼女は今のところ一人暮らしだった。
廊下から戸を開けて脱衣所に入ると、左の壁にある明かりのスイッチを手探りで探しながら、ふと、目の前の洗面台のところの小窓を見た。
「!!」
人の頭のシルエットだった。
開いた窓のアルミの格子の外から覗いていた。
とりあえず動く気配がない。
まだ相手は誰かが入ってくるのを待っているだけで気が付いていないかもしれない。
美智子はそう思って、スイッチから手を離した。
彼女は、そうっと小窓の方に近づいて、覗き魔を驚かすのと顔を確認するために洗面台の明かりを点けようとした。
スイッチに手を伸ばした時、そのシルエットの目が開いた。
そのシルエットは、黒い靄(もや)が掛かったようによく見えないだけで、暗いためのシルエットではなかった。
目が合った。
「きゃー!!」
彼女は悲鳴を上げた。
ハッとして目を開けると、外にはもう誰もいなかった。
美智子は慌ててリビングに戻って、テーブルの上に置いてあったケータイで110番した。

