東武蔵大学園山教授研究室
「先生、何か新しいもの見つかりました?」
翌日、遥香はいつもの様に研究室に顔を出した。
「まあ、ぼちぼち」
教授はソファーに座るように促した。
そして、コーヒーを2つと、この前のリストをテーブルに置いた。
「それより、事件の方なんだが、一つ気になったのがある。正確には2つか」
「どれですか?」
遥香はそのリストを手に取ると教授を見た。
「多摩川下流で見つかった首無しの遺体と、その下の頭部だけのやつだな」
「何でですか?」
「首無しの方は、君のお母さんが失踪した2ヶ月後だろ?」
「あ、そうですね…。あ!」
遥香はハッとした顔で教授を見た。
「そうだ。君のお母さんの身体は、まだ見つかっていない」
教授が少し重い感じの表情をした。
「俺が気にしているのは、その日付けだけじゃなく、発見された場所もなんだ」
「どういうことですか?」
「君のお母さんが失踪した日は土砂降りの日だったよね」
「はい」
「俺も確かめたが、その日の午後からの降水量は異常だった。だから、君の実家の近くの野川も、多摩川もかなり増水していたんだ」
「ええ、覚えています。少し早めに帰るように言われて、父が迎えに来て帰ったんですけど、暴れるような水面がかなり高いところまできてました」
「だろ?そして、その野川は多摩川に合流する」
「あ、そっか…」
「だから、その遺体が君のお母さんじゃないかと俺は疑っている」
「そうかも、しれませんね…」
遥香は頷いた。
「そして、その半年後にさらに下流で発見された頭部というのが、もしかしたら、君のお母さんの身体に載せられていた首かもしれない」
「え?」
「発見された時点で10年から15年前の物とされている。だから、もちろんその身体の方とは別人扱いだ。でも、そんなに古いのが首無し遺体と大した時間の差がなく見つかっている。何となく、今回と似ていないか?」
「ええ。ほんとにそうかもしれません」
「だから、とりあえず身体の方は警察にDNA鑑定をしてもらった方がいいな。まあ、警察もバカじゃない。既にやってるかもしれないが」
「そうですね。担当の刑事さんに聞いてみます」
「それがいい」
教授は頷いた。
「先生、何か新しいもの見つかりました?」
翌日、遥香はいつもの様に研究室に顔を出した。
「まあ、ぼちぼち」
教授はソファーに座るように促した。
そして、コーヒーを2つと、この前のリストをテーブルに置いた。
「それより、事件の方なんだが、一つ気になったのがある。正確には2つか」
「どれですか?」
遥香はそのリストを手に取ると教授を見た。
「多摩川下流で見つかった首無しの遺体と、その下の頭部だけのやつだな」
「何でですか?」
「首無しの方は、君のお母さんが失踪した2ヶ月後だろ?」
「あ、そうですね…。あ!」
遥香はハッとした顔で教授を見た。
「そうだ。君のお母さんの身体は、まだ見つかっていない」
教授が少し重い感じの表情をした。
「俺が気にしているのは、その日付けだけじゃなく、発見された場所もなんだ」
「どういうことですか?」
「君のお母さんが失踪した日は土砂降りの日だったよね」
「はい」
「俺も確かめたが、その日の午後からの降水量は異常だった。だから、君の実家の近くの野川も、多摩川もかなり増水していたんだ」
「ええ、覚えています。少し早めに帰るように言われて、父が迎えに来て帰ったんですけど、暴れるような水面がかなり高いところまできてました」
「だろ?そして、その野川は多摩川に合流する」
「あ、そっか…」
「だから、その遺体が君のお母さんじゃないかと俺は疑っている」
「そうかも、しれませんね…」
遥香は頷いた。
「そして、その半年後にさらに下流で発見された頭部というのが、もしかしたら、君のお母さんの身体に載せられていた首かもしれない」
「え?」
「発見された時点で10年から15年前の物とされている。だから、もちろんその身体の方とは別人扱いだ。でも、そんなに古いのが首無し遺体と大した時間の差がなく見つかっている。何となく、今回と似ていないか?」
「ええ。ほんとにそうかもしれません」
「だから、とりあえず身体の方は警察にDNA鑑定をしてもらった方がいいな。まあ、警察もバカじゃない。既にやってるかもしれないが」
「そうですね。担当の刑事さんに聞いてみます」
「それがいい」
教授は頷いた。