それからそんなに経たずに、襖が開いた。

「遥香、来てたのか」

祐志が顔を覗かせた。

「どうした?」

少し呆然としていた遥香を見て、祐志が戸惑った。

「ううん、何でもない」

遥香は軽く首を振った。

「あ、ご飯作るね。何かあるかな?」

「大丈夫か?」

「うん、大丈夫だよ」

遥香は少し微笑んだ。

「冷蔵庫見てみるね」

そう言って遥香は部屋を出て行った。

祐志はそんな娘をただ見つめるしかできなかった。