東武蔵大学園山教授研究室


それからしばらくは、研究室で、遥香達は借りてきたファイルなどを詳しく調べて整理をしていた。

その作業中でも、赤井から、5人目の被害者の連絡がいつ入るかと不安な時間を過ごしていた。

「失礼します」

「こんにちは~」

赤井と三田村がやって来た。

「いらっしゃい」

教授が机からソファーに移動して、二人にも座るように勧めた。

季世恵は横の長机で作業しながら頭を下げて、忍は背中を向けたまま、赤井の方に頭を下げた。


「どうぞ。お疲れ様です」

遥香は二人の前にコーヒーを置いて、教授の横に座った。

「ありがとうございます」

「ありがとね」

赤井と三田村が軽く頭を下げた。

「で、そっちは何か進展ありました?」

遥香が斜め前の赤井を見た。

「いえ、特に。とりあえず別件があったので」

「え?まさか、5人目とか?」

「いやいや、コンビニ強盗だよ」

三田村が、赤井と遥香の視線を切る様に顔を出した。

「そ、そうですか…」と、遥香は苦笑しながら言った。

「捜査本部の方で何か動きはないんですか?」

教授が赤井を見た。