うつりというもの

東武蔵大学園山研究室


教授は、その夜、季世恵と忍も呼んだ。

そして、遥香に赤井達も呼ぶ様に言った。

遥香が連絡をすると、赤井と三田村もすぐにやってきた。

「遥香ちゃん、どうしたの?」

「遥香ちゃん?」

三田村の言い方に忍が敵意を示した。

「あ、すみませんね。このバカのことは気にしないでください」

赤井が忍に謝った。

「誰がバカですか」

「世田谷西署の赤井です。初めまして。お世話になります」

赤井は三田村を無視して教授に挨拶した。

「こちらこそ。園山です。どうぞ座ってください」

教授はみんなを座らせた後、とりあえず分かった事を説明した。


「やっぱり本当にそのうつりがいるということですね?」

赤井が教授を見た。

「ええ、ここまできたら信じない訳にはいきません」

教授は頷いた。

「で、これを見てください」

教授がさっき作った地図を広げた。