My.doctor…?

「これか?栄養剤だ。ちょっと疲れててな…」



『栄養剤』と聞いて
あたしは少しホッとした。



「良かった…。点滴するほど大変なんですか?」


「あぁ。この1ヵ月、仕事が本当にキツかった…。寝る時間もほとんどなかったから」


「仕事…ですよね。あたしと顔を合わせたくなかった…とかじゃないんですね?」


「は?そんな訳ないだろ」



その言葉に
更に安堵した。

『もしかして』って
少し考えてたから…。


先生がそんな事言う訳ないのに
勝手に被害妄想してた。



「本当…良かった…」



安心して何度も独り言の様に
『良かった』と呟いてしまう。


先生が病気じゃかった事
あたしと顔合わせないようにしてたんじゃなかった事


どっちも嬉しかったんだ…



「どうして…泣いてたんだ?」


「え?」


「もしかして、俺の事が心配だった?」



先生はソファの肘置きに寄り掛かりながら、悪戯っぽく微笑む。


からかわれてる様なそんな気がして、ムカッとした。



「…当たり前です。心配しちゃ悪いですか?」


「え?」



「本当に何か病気なんじゃないかって、不安で心配で…」