それから…

先生の悪友さんが上手に処理してくれたみたいで、ニュースにはなったけど、あたしの名前は出てこなかった。


そしてこの事件は幕を閉じたのだけど…





「服捲って」


「はッ、はいッッ!!!」



最近のあたしは
自分で言うのもアレだけど…
かなり変。


先生に会うと
なぜか動機が激しくなる…


それは
ストーカー男に感じた"恐怖"とは違う何か…。



「触れるけど平気か?」


「はい…大丈夫です」



あんな事があってから
先生はあたしを怖がらせない様に気を使ってくれている。


もうだいぶ怖くない。
先生がいるから、安心出来る。



…なのに



「やっぱり怖いか?脈が速い」



ドキドキしっぱなしで
毎回診察で先生に心配をかけている。



「だ、大丈夫!怖くないッ」


「けどなぁ…。他にどこか体の具合が悪いか?」



だから悪くないの!
怖くもないし本当に大丈夫なんですよ!


だけどあたしにもわからない。
先生に触れられるの…
イヤじゃないのに。



「何かあったら早めに言え。1人で抱え込んで、自分でなんとかしようとか考えるな」


「はい…」



やっぱり先生の優しい言葉は
あたしをドキドキさせる。

どうしてなんだろ…。