さてと…



「咲桜ちゃん、どうしてここがわかったんだ?」


「それは…」



言いづらいらしく
俺と目を合わせない。


まぁ粗方『後をついて来た』ってとこだろうけど。


それより問題は…



「なぜあんな危ない事したんだ」



ナイフを持って向かってくる男の前に現れるなんて…

死にたいのか?



「…ごめんなさい。でも、先生が刺されると思って…」


「あのなぁ。護身術くらいは知ってるから。ナイフを持つ事自体にビビる男に殺されません」


「…ごめんなさい」



だがまぁ…
彼女は俺を守ろうとしてくれたんだよな。

自分が1番怖いはずなのに…



「危ない事したのは宜しくないが助けてくれたのは確かだ。…だから、ありがとう。」



咲桜ちゃんが目を丸くして驚いているんだが…なぜ?

このタイミングで礼を言うのは
おかしかったか?

それとも俺が礼を言うのが
おかしいのか?


まったく失礼な。



「帰るぞ」


「ねぇ…先生?」


「ん?」


「さっきの警察官は…知り合いなんですか?」