「信じられんか?」
「意味……わかんない」
「うーん。……そうだよな。オレだって自分がおかしいんだって、最初に気付いたのは、ハルミに指摘されたからだったし。……オレってさ、他人の名前覚えるの、極端に苦手だろ?」
「うん」
「実はアレもこの障害の影響だったりするみたいなんだよ。他人に関心があっても、近付こうっていう欲求が、出てこないんだ。……その逆もある。……例えば、この部活だって、そうなんだぞ」
「……園芸部?」
「ん。オレ、ほんと言うとさ、別に園芸なんか好きでもなんでもないんだ。一年の時、家に帰んのがイヤでさ、たまたま校舎裏に来たら、園芸部の先人どもに会って。ソイツらは三年だったから、どうしても跡継ぎが欲しかったらしくて、しつこく勧誘されたんだ。……正直、その時はウザくって、内心ふざけんなって思ってた。――でも、その次の日から、気付いたら校舎裏行くようになったんだ。コレって変なんだろ、普通は。だって別に責任感とか、義務感とか、そんなのオレにゃなんにもなかったんだぞ。むしろ、"何でこんなの来なきゃならん。バッカみてー"って思ってた。……だけど、もう体の方はそれを守るようになっててさ、自分の意志通り、来ないようにする方が、むしろ不快に感じるようになってたんだ。……でもこんなの、オレにとっては当たり前だったし、指摘されるまでは意識もしてなかった。そんで、オレの、この異常さが一番際立ってた……てゆうより問題が出てきたのが、異性への性的な関心の持ち方だったんだ」
「……どういうこと……?」



