無意確認生命体


「……それは、やばい趣味の男ってことなの?」

「う~ん……。いや、たぶん普通なんだと思う。終わり方も、純愛って感じだったし」

「……それじゃあ……わかんないよ……。私、誰かを好きになったコト、今までなかったから」


「……答えは、主人公と相手の女がセックスしてる最中の場面」


「えっ?」

「意外か?」

「……だって……、えっと……、それって、普通なんじゃ……ないの……? ……よくわかんないけど」

「それが、オレにとっては普通じゃないんだなー……。言いたかったのは、このコト。オレはさ、こーゆう奴なの。恋愛対象に、性的な興奮ってのを、感じないんだ。……昔、医者に言われた言葉を使えば、オレって奴は、欲求と関心が乖離《かいり》――っつーか、ずれちゃってるんだと。まぁそーゆう、ある種の精神障害者なんだよ。オレ」

「……なに……それ……」