「ありがとう。ってか、これどうしたの?」


「あぁ。なんか、大学の方で貰ってなー。たくさん貰いすぎて。」


「ふーん。」


「あっ、どうせなら何個か仁華ちゃんにあげてきなさい。全部は流石に食べきれないから。」


お父さんは仁華のことを案外気に入っている。


お父さん曰く、この時代にあそこまで大人に反論してくる奴は珍しい。ってことらしいけど。


「分かった。何個か持ってくよ。」


「あぁ。・・・・・・・・何も進展ないのか?」


「え?何が?」


俺は何のことか分からなくて聞き返す。


「いや、別に何も無いのならそれはそれでいいんだが。」


「いや、何が?」


「え?だから、てっきり俺はお前が仁華ちゃんのことが好きなのかと思ってたんだが。違うのか?」


俺が仁華の事が好き?


いや、まぁ、友達だし嫌いなわけないけど。


「友達なんだから嫌いなわけねーよ。」


「いや、まぁ、そうか。まぁ、気にしないでくれ。」