はっ!
私…泣き疲れて寝ちゃったんだ…
やっぱりこの家は思い出が詰まりすぎてる…
早く部屋行こ…
ガチャン
「ごめんなさい…」
カチカチカチ
手首にカッターを押し付ける…
これで死ねたらいいのに…
シュパッ!
ドン、ガラガラ
「オイッ!」
「何やってんだよお前!」
えっ?誰?
ここ私の家だよね…
「ったく、命を自分で絶とうとすんな!」
はあ、っ!て、この人耳があるっ!
いや、耳はみんなあるけど!猫?狐?みたいなの!
「あ、あなた、」
「ん?俺?銀河。そんなのいいから止血しろ!」
「はいぃぃぃ!」
……………………………………
止血終了
「ふう。なんでお前は自分で命を絶とうとすんだよ…俺がいなきゃ死んでたぞ!」
「ご、ごめんなさい…」
別に私だって命を捨てるようなことしたくないよ!
でもしなきゃ心が壊れるんだよ!
「泣きたきゃ泣きゃいい。」
え、…私また泣いてたの…
「う…うぇ…えっぐ…ふぇぇぇぇぇん…」
お父さんたちが亡くなって何にも頼ることが出来なかった私は、涼夏だけが頼りだった。
そんな私が初めて人に縋って泣いたのは、動物の耳を持つ男の人でした。


