お狐様と妖怪事件簿






「銀花、これからここの街の主に会いに行く。」








「ここの主?」








王様みたいな?







それも、殿様みたいな?






もしかして、魔王とか?!






「そいつは天狗で藤(ふじ)と言って要は女たらしのいけ好かない俺の幼なじみだ。」






へー、銀河の幼なじみかぁ、どんな人だろう?







あ、妖怪なんだから人じゃないか…







なんか…ずいぶん大きいお屋敷にきた…








「どうも銀河さん。」






「おお、桂(かつら)。元気か?」







「それなりです。」








桂さん?誰?








「そうだ、今日はこいつを藤に紹介しに来た。」







「そうでしたか…これはずいぶんとかわいらしい女子ですねぇ」






『とって食ってしまいたい…』





「ヒッ!」








思わず銀河の後ろに隠れた






な、なんなのこの人?!







「お、桂こいつは悟だ。あんまり変なこと考えんなよ?全部読めるみたいだからな」







「そうでしたか。ついつい鬼の本性が出てしまって…改めて初めまして悟のお嬢さん。私、藤の側近をさせて頂いています桂と申します。以後お見知りおきを。」