お狐様と妖怪事件簿

要は銀河が私を妖怪にしたから銀河の髪色が私の髪にも移ったってこと?






「なら、この首の牡丹の花は?」







「それはお前の中にある強く残ってる思い出があらわれたんだ。」






思い出…牡丹…







「あ、母さんが好きだった花だ。」






「愛されてたんだな…」






「なんで?」






なんでそんな事が私が分かるの?






「紋章が出る時は一方からの思いだけでなく、思いが通じてないと現れない。だからお前は愛されてたんだよ」







そっか…そっか…そうだったんだね…






「ありがとう…母さん…」






「銀花、お前足にも紋章が出てないか?」






えっ?






ペラッ







「ホントだ…こっちは蝶々だ。確かこれは…」








初めて浴衣を着て、家族でお祭りに行った日父さんが買ってくれた簪の蝶々だ。






「あれ?手の甲にもあるんだけど…銀河、そんなに出るものなの?」






多分これは兄さんのだ。扇子?あぁ!あの時お古だって言って、くれた扇子だ!ホントは新品なのに嘘ついて買ってきてくれたんだっけ?






「いや、出るやつでも2つが限度だな…ホントお前は愛されてたんだな…」







「うん。…ありがとう…父さん、母さん、兄さん」








「じゃ、そろそろあっちの世界へ行くか。」







あっちの世界?…あぁ、妖怪界ってやつ。








「ねー、今更だけど私を妖怪にして良かったの?」






「あー、うん、まぁ…」






要は良くなかったわけね…






「で、でもするなども言われてねーぞ!だからいい!…と思う…」








はぁ考えて行動しなさいよ…