(たかひろさん、わたしね) 彼女は僕の名前を呼んだと思ったら、まるで今までお人形のように黙ったままだったのは嘘のように、ペラペラと饒舌にしゃべり始めた。 僕は呆気にとられて、相槌をうつのが精一杯。 彼女の冗談にもあいまいに笑うだけ。 夢にまで見た彼女とのデートで、彼女よりも気の利いた冗談を言うなんて夢のまた夢だったようだ。 彼女は美人なだけでなく、頭の回転までいい。 冴えない僕を思いながらも、彼女のそばにいるだけでその誇らしさに頬が熱くなった。