僕は自分の仕事も忘れて、周りの視線も気にせず、隠れるようにして彼女を見た。 見続けた。 立ち止まったまま、その場からなかなか立ち去らない彼女に僕は安心した。 きっとここで、待ち合わせでもしているのかな。 待ち合わせにはそんな相応しい場所とは思えないけど。 僕は、彼女がいるこの階を見回した。