追い出された身分でここに入っていいのか、門の前で少し足がすくんでしまう。


でも、鈴がこれから行くのは金の部屋だから。


大丈夫なはず。


そう自分に言い聞かせて、門の中へと入る。


足取りが重い。


建物まで、すごく長く感じる。


今まではあっという間だったのに。


思い出のつまったこの空間に、叫びたくなるくらいの想いがこみ上げてくる。