それからは平和な日々が続いた。


だが、その日常も音を立てて崩れ去った。


その日もあたしはいつも通り食料をとりに森に行っていた。

いつものようにうさぎを捕まえた後、少し疲れたので木陰に座って休んでいた。

すると、どこからともなく物が焦げるような嫌な匂いがした。

(嫌な予感がする…)

あたしは全力で屋敷に向かって走った。

少し走ると、屋敷が見えてきた。

しかし、

(嘘…でしょ…?)

屋敷が燃えていた。

彼はまだ中にいたはず…そう思い屋敷の中に入ろうとするが、炎が行く手を塞ぎ、屋敷に近寄ることすらできなかった。

目の前が真っ暗になった。

彼のいない世界に自分だけ残って生きていくなんて…できない。

こんなことになるなら、いっそ死んだ方がマシだ。

あたしは森の中にあった湖へ向かった。

そして、その中に身を投げた。

どんどん意識が遠のいていく…。


あたしはそのまま気を失った。