僕を拾ってくれたあの頃から時が経って、 あなたはすっかり大人の女性になった。 怖かった。 あなたがどんどん離れていくのが、 怖くて怖くて心が千切れそうだった。 メイクをして僕にバイバイと手を振るあなたを、 僕はすぐにでも抱き留めたかった。 でも人間の手足がない僕は、 泣くしかなかった。 僕の気持ちをよそにあなたは彼氏を連れてきた。 かっこいいとは言えないけど笑顔が素敵な人で、 僕は悔しい気持ちとこの人を選んだあなたを誇らしく思えた。