「先輩‥‥‥‥」


「彩未は?元気なのか?」



彩未‥‥‥‥‥


先輩が呼ぶカーテンが、ユラユラと揺れて開かれた先には彩未。



「日向ッ!会いたかった。」



泣きじゃくる彩未の肩を引き寄せる様に、抱き締めた。



ズキン、と心が痛んだ。



先輩の肩が微かに揺れた。  
 

腕が震えてた。


「 よかった。よかった、目覚めて。

少し休め。」



こんな優しい先輩見たくないよ。


私ぢゃない、彩未に大しての振る舞い。



嫉妬に顔を歪ませた私に彩未が、不思議に首を傾げる。 

「陽菜、どうしたの?日向と知り合い?」



私の彼氏だよ、と言おうとしたのに。



「学校の後輩だよ」



彼はそう言った。 

 


なんで‥‥‥‥‥?





私、先輩の彼女なのに。


「そっかぁ、日向と同じ学校なんて、いいな。今から編入試験受けたら受かるかな。


私も、日向とおんなじ学校行く‼」



浮かれた声の彩未が、初めて憎く思った。