ばいばい、津崎。



学校に着いた私は自転車置き場へと向かった。クラス別に区切られているスペースに、自転車が同じ向きに並んでいて10年ぶりだというのに、私は迷うことなく自分がいつも置いている場所へと停めて、鍵をしめる。


……なんだか身体がヘンな感覚だ。

26歳と16歳の私が交互にいるような感じがするけれど、今はその違和感よりも早く津崎に会いたい。


私のクラスは1年B組。ガラッと教室のドアを開けると、クラスメイトたちが談笑しながら騒がしくしていた。

とても懐かしい顔ばかり。

10年の間に一度だけ同窓会のハガキが家に届いたけれど、私は不参加の欄に丸をつけてすぐに送り返してしまったから。


学校なんて、もう通うことも中に入ることすらないと思ってたから本当に不思議。


私の席は4列目の前から3番目。なにをするにも死角にならない不便な席では、授業中に携帯を触ることも寝ることもあまりできなくて、自分のくじ運のなさに悲しくなった記憶がうっすらとよみがえってくる。  

椅子をひいて席に座ると、やっと懐かしさが込み上げてきて、誰も私が10年後の未来から来てるなんて想像すらしていないだろう。


夢の延長かもしれないし、どうしてこんな体験をしているのか説明がつかないけど。後悔ばかりの私に神様がチャンスを与えてくれたのなら、私はやり残してしまったことがたくさんある。