「う、うん。哲平も元気そうだね。……会うのは3年ぶりぐらいだよね」
私は可笑しいぐらい動揺していた。
最後に顔を見たのは哲平が大学を卒業したあとに、みんなで集まってご飯を食べに行った以来。それから個人的に連絡をとることもなかった。
「うん。近くに公園があったら、少し話そうよ」
そう言ったのは哲平だった。
コンビニの前から移動した私たちは人気のない公園に着いて、ふたりがけのベンチへと腰をおろす。
夜でもうるさくセミは鳴いていて、ふわりと夏の匂いがする風が頬を通りすぎていった。
「どうせ強い酒でも飲んだんだろ」
哲平が顔を覗きこむように前屈みになる。私は「ちょっとだけだよ」と嘘をついて、お酒で火照っている顔を見られないようにした。
一緒に青春を過ごしてきた仲間なのに、哲平は島育ちとは思えないほど東京の色に染まっていて、美貴や剛とはなにかが違う。
島にいた頃から哲平は秀才で、喋りかたや考えることも大人みたいだった。
天真爛漫な美貴と、ムードメーカーの剛と、島に馴染むことができずに冷めた性格をしていた私。そのタイプの違う私たちをまとめてくれていたのが、哲平だった。
「でも偶然でも会えて良かった。急いで来た甲斐があったよ」
哲平の視線が痛いくらい私のほうを向いているって分かってた。でも私は子どもみたいに爪をいじるだけで、やっぱり哲平を見ることができない。



