その子は寒いのか上着の襟を立てて口元まで隠していたが、私と目が合うと柔らかく微笑んだ。
なんだろう、このドキドキは。
うちの学校の男子にはこんな人いない。
「ってことで……。りりもいいよね!?」
「え!?」
突然泉に話を振られ驚く。
「え~、ちょっと聞いてなかったの!?みんなでファミレス行こうって話!」
「ファミレス?」
「そうそう、光喜(こうき)くんドリンクバーの無料券いっぱい持ってるんだってー」
光喜くんって……。
銀髪頭の子が私にドリンクバーのチケットを見せてきた。
この子、光喜って名前だったんだ。
泉ってば、いつの間に名前聞いてたんだろう。初対面でこんなに楽しそうにしている泉を見るのは初めて。
ぼーっとしちゃってたな。
あの子に見とれてたから……。



