「ん、前より暗めにした」

そう言って自分の前髪を触った。

相変わらずかわかっこいいなぁ…。

じっと見つめてると、目が合った。

「りりも髪可愛いじゃん」

「あ、う、うんっ…」

嬉しい。アレンジ頑張って良かった!

「遅れるからそろそろ行こ」

私の手を掴んで、ホームへ向かった。

新くんの家、反対方向なのに来てくれた…嬉しいな。

同じ制服で登校するのがずっと夢だったから、思わず顔がニヤけてしまう。

朝にこうやって会うのが新鮮で、電車に乗っている間もずっと気分が上がっていた。

南高が近くなるにつれ、同じ制服の生徒たちが車内に増えていく。

それと同時に私達への視線も増えていってるような。

私…というか、新くんを見てるんだよね。

髪型もオシャレだし、制服の着こなしからしてセンスが良いとわかる。

特に女子からの視線がすごいな…。